平成14年から、外国からのJICA研修員に講義させて頂いて8年あまりになる。
毎年、数回、アフリカ、中南米、東欧、アジアなどの研修員に地域振興、ソーシャルビジネス、女性の起業化、道の駅整備と運営などについて実体験で話して来た。
以前、日本の随行スタッフに「学者でない私が、今日のような講義内容で研修員に参考になるのですか」と訊ねた。
す ると、スタッフは「学問理論の講義は、もちろん必要です。併せて、研修員は学生ではないので、古川さんのような実践に基づいた講義は、帰国後タイムリーに 活かせると思います。研修員は、興味深く聞き入っていると思います。成功の美談にとどまらない、苦労の話が、国や民族の違いを超えて、感銘し自国の取組に とても参考になると思います」。
随分と嬉しい返答であると思いつつ、永きにわたりこのような機会を与えて頂き感謝し、毎回、研修員と会う日を楽しみに講義日を迎える。
2月10日は、アフリカからの研修員9名であった。
4時間楽しく、住民参画のソーシャルビジネス等について、語り、意見交換した。
研修員は、国づくりの先頭に立っている人達である。
帰国後は、研修の成果を活かし、新たな仕掛けや政策を提言したり実行に繋げることが求められている。
講義中でも、質問や疑問が投げかけられることが多い。
日本人とは対象的である。
回答に窮するようなこともある。
前日の想定学習を欠かせない。
この日は、自国でソーシャルビジネスを行うことを想定した、ロールプレインも行い、報告しあった。
いずれのグループからも、女性の社会参加拡大を図りたいとのことであった。また、雇用の拡大、伝統芸能文化を活かした観光振興、特産品の開発販売による所得の拡大であった。
また、大陸の国らしく、国境を接している隣国と連携した、直売売所の設置もあった。
「連携・女性」をキーポイントとして挙げていた。
私も、同じように、各種振興の成果ポイントに「広域連携・女性の参画」を掲げるが、うまく実を結んでいない事が多い。
最後に、どのグループも、オープンを2012年、13年と目標を明確にする、報告の締めくくりが心に響いた。
未知の国で、自分の小さな実践が活かされることがあると聴かされると、積み重ねることの価値をあらためて想う。
写真:2月10日の研修