はらみみちを美術館(広島県三次市君田町)の建築設計を依頼するために、2003年7月26日(土)午前9時50分安藤建築事務所を訪ねる。
事の発端は、はらみちをさんから私に電話が有り「建築家の安藤忠雄さんに設計をして頂けたら嬉しいな」との話であった。世界でも著名な安藤忠雄さんに設計など雲をつかむような事とは思いながらも、はらみちをさんの想いを取り入れた美術館を創ろうと行動を起こした。
建 築事務所へ電話をすると快く26日10時の面会を約束して頂いた。安藤忠雄さんに直接面会できるとは想っていなかった。しかし、安藤忠雄さんが9時55分 には見えられた。12時まで、2時間に亘り熱心に話を聞いて下さった。建物の設計に関する事、仕事と向き合う姿勢などご自身の人生観を織り混ぜて語って頂 いた。今でも鮮明に記憶している。また、充分過ぎるほど私にも話す時間を割いて下さった。
帰り際に「古川さん、人生は情熱を持ち続けて仕事に取り 組むことが大事だ。新しい事には批判が付きものだ。批判される情熱家になりなさい。情熱を抱き続けて、事業を継続することは誰もができないものだ。学歴で は、飯は食えない。」と語り、村長に1通の手紙を託し見送って頂いた。
前夜の睡眠不足も、安藤忠雄さんに勇気づけられワクワクして新幹線に乗車し帰途についた。
この安藤忠雄さん訪問の縁で、安藤忠雄さんの知人の広島在住の建築家の設計で完成した。
はらみちをさんの一本の電話、安藤忠雄さんとの出会いが斬新な「はらみちを美術館」となった。また、自らの人生の礎にもなっている。