情熱的な若い女性補佐役に支えられて

平成8年4月に18歳の女性が新規採用された。
公務に対する情熱が、勤務早々から評価される存在となっていた。
村役場、始まって以来の大型プロジェクトの道の駅整備、経営母体の設立にスタッフとして加わった。
行政職員、1年生とは思えないほどの創造性と行動力に敬服と感謝の日々であった。
一つ指示すれば三つ返してくれた。
正に、著書「ガルシアへの手紙」に出てくるローワンのような職員である。
小柄であるが気丈な精神で、段取り良く、付加価値を付けた仕事を提案、実行してくれた。
施設愛称の全国公募、運営マニュアルの策定、ロゴマークのコンペ、社章の企画などオープンに向けた数々の課題の解決に努めくれた。
成果は、女性の感性なくしてはと、感心させられることが殆どであった。
公務員としては、当然のこととして、表だった評価や光が当たるこはなかったが、私にとっては、この若い女性スタッフの補佐役の存在があったからこそ予定通りのオープンができた。
オープン当日も、表舞台に出ることなく陰で受け付けや、来客の案内などに、汗を流してくれた。
陰ながら二人で「有難う。よかったなあ」と交わした会話を忘れることができない。
時代も変わり、公務員にも評価の仕組みが導入され始めている。運用の難しさもあるが、何事にも前向きに創造性を持って業務に当たる職員に光を当てる評価に市民も依存はないだろう。
何年か後の道の駅の創立記念式典において、運営会社の第三セクターからこのスタッフに感謝状を贈って頂き、本当に嬉しかった。
当時を思う時、脳裏に浮かび、感謝する忘れられぬ一人である。
見えないところで頑張ってきた、このスタッフに感謝の気持ちをお願いした時も「公務員だから」との声もあったが、身近な人の努力を評価して頂き有り難かった。
花を咲かせるための、種まきの仕事を通じて、多くの異業種の方々との出会いが財産である。
最初は、経営「を」学ぶこと(計画づくり)に一生懸命であったが、オープン後は、経営「に」学ぶ(利用者ニーズや時代の変化)の貴重な体験であった。
我を忘れ、一生懸命になれる時代を過ごすことが必要である。