元・広島市長 平岡敬さんに、6月18日呉とびしま海道の連携推進ための協議会設立の記念講演をして頂く事になった。
今日、打ち合わせのために訪問した。市長を2期務められ退任後は、NPOの理事長、地域づくり、平和講演、ボランティ活動等をライフワークに、多忙の毎日の方である。
広島市長に在任中は、平和都市のトップとして国内外に出向くことも多かったようである。
市長に立候補するきっかけは、当時、マスコミ会社のトップの役職で、度々、地域づくりの必要性を語っていた。周りの方から次期市長になり、広島市の地域づくりをとの声が出ていた。
しかし、その気はまったくなかったが「地域づくりとは、口ばかりでないか」と言われ、反骨心から立候補した。
「今想えば、マスコミ人は政治に関わるべきでない」と語っていた。
想定外の行政の壁があったのだろうと想像した。
現在、83歳とのことであるが、見た目から語りまで全てにおいて、とてもその年齢には見えない。60歳代の活力を感じた。
過去の肩書を感じさせない、とても優しい、同じ目線で語り、聴きいる姿勢に、安心感で時を忘れた。
人のために、ポジティブに生きることの大切さをさらりと、何度となく話された。
「市長を退任したら、元気になった」と笑いながら明るく、話されたことが印象的であった。
世界から注目される広島市長として、心が休まることがなかったのであろう。
「講演の話が、期待に応えることができず、あなた方にご迷惑を掛けるといけないなあ」と気配りまでして頂いた。
人生観を考える時
子育て、仕事、人間関係など順調に運んでいるときは、人生感を考えることはない。この世の幸せに浸る。
順調に進んでいる時や順調な人からは学ぶことがない。
悩み、行き詰っている時に人からこそ学び、教訓を得ることができる。
人生観、仕事観を考え、気づき、成長するものである。
仕事、経営においても同様である。行き詰まりや落ち込みから抜け出すことで、仕事力、経営力が備わるものである。心力が付くのでものある。
人生も経営も模倣の組み合わせと彩りにより、他との違いを創り出しているに過ぎない。
模倣は学ぶことである。成長の思考である。
私の好きな言葉の一つが
”出会いを活かし 話を聴いて 選択し 自らのシナリオを描き 実践する”
第3セク-経営を支えてくれた民間会社の社長
住民154名と村が出資し地域振興3セクを立上げ、道の駅(温泉・宿泊・レストラン・直売所)事業を開始した。
3セクによる地域経営の難しさを日々感じながらも、立ち上げてよかったと言われたい。
3セクのマイナスイメージを払拭し、注目されるようにしたい。
寝ても、覚めても、集客の方法、行政の役割、地域との連携など脳裏をかすめていた。
同じ話でも誰が言ったかで、首を縦に振ってもらえることもあれば、身近な人の場合は、おいそれと受け入れられないことがある。
まちおこしは「よそ者の力が必要」を学んだ。
地域のしがらみを乗り越えて、経営基盤を築くことが課題となっていた。
視察調査を通じて、多くの3セクがしがらみの中で、やるべきことが出来ず、言うべきことを言わないことで経営が行き詰っているように感じた。
目新しさの話題による賑わいとは裏腹に、心臓部の経営管理が確立さていない。
そこで、広島の或る企業の社長に副支配人に就任して頂き、経営の理として普通のことを指摘して頂いたり、話して頂いた。
陰ながら、応援して頂いた。
まちおこし経営の課題を分担し、支えて頂いき組織づくりを進めた。
15年前の頃を振り返り、立ち上げまでは経営「を」学んでいたが、事業開始からは経営「に」学ぶことばかりであった。
経営のリーダーは、24時間経営の資金繰りを考えることを学んだ。
まちおこし起業化の条件
地域の活性化を図るために、道の駅の設置、地域ブランド商品の開発、交流イベントなど地域らしさを発揮した取り組みが展開されている。
ボランティ精神の発揮によるまちおこしから、ビジネス性を加味した「コミュニティビジネス」としてのまちおこし起業化の機運が高まっている。
市町村合併により、過度な行政依存から住民自治の自立を基本としてのまちおこしの取組が求められようになった。
持続的に自立したまちおこしとしてするためには、活動の資金繰りがショートしないことである。
このためには、ビジネスとしての起業化の精神を導入することが必要になっている。
実体験として、まちおこし起業化に向けて求められる条件は
1.地域を好きな「人の存在」
2.政治、経済、交通網の変化など社会環境の変化を捉える起業化の「タイミング」
3.専門的マネジメントの「知見者の存在」
4.開放的なネットワークによる住民の「自慢づくへのりコンセプト」
5.行政色を加味した「公共性とソーシャル性」
全ての条件が整ってからの開始でなくても、まずは起業化し、企業体質強化の投資が重要である。
親孝行しなければの気持ちを忘れずに
社会にでたら親孝行をしなければ。
両親に喜ぶ姿を見せよう。
親が悲しむようなことは、しないようにしよう。
ごく当たり前の、とても基本的な親に対する気持ちを持ち続けることで、
心豊かに過ごせるし、辛いことがあっても乗り越えられる。
社会から批判されるような行動を自制できるようになる。
人は、何歳になっても「親孝行しなければ」との想いが、人生の基本であるように思う。
物や金が親孝行ではない。
気苦労を掛け無いことが、最高の親孝行である。
この連休に、帰郷した長男と談話し、親として子どもへの想いの一端を話した。
写真:はらみちをさんの創作画
今しかできないPTA役員
PTA行事等、学校訪問は妻任せであった。
自分の父の姿を見て、男親は学校に行かなくても良いと思っていた。
自分にとって、親の行動や発言の影響は大きかったと痛感している。
長男が小学校の3年生の春のある日、職場の先輩が「古川さん、PTA副会長になったぞ。宜しく頼む。」
引き受ける、引く受けないの、話などする間もなく「総会で決まったことだ。皆が賛成していた。」今まで一度も学校の敷居を跨いだことがなかった自分が、どうしてと思った。
ゆっくり思慮してみると、PTA役員は子どもが、通学しているこの時期しかできない職務である。
決まったのであれば、まったくの白紙状態であるが、努めようと受け止めた。
これが、縁で多様な人達と出会い、今の仕事にも活かされている。
中学校まで会長などの役員に就き、学校現場やPTAの活動を学び体験したことが後の生き方にも活かされている。
出会いの中で忘れることができないのが、脳性小児麻痺の詩画家「はらみちを」さんとの出会いである。
今想うと、PTA会長の職にあったことが出会いの縁となり、以後も交流を深め、絆を強くできた。
はらさんが「古川君がいなかったら、はらみちを美術館は君田町になかった。古川君の熱意が
君田に絵を寄贈することになったよ」と話してくれたことを嬉しく思う。
誠意と熱意を抱き続けて、行動することで実現できない夢がないことを実感する。
写真:はらみちをさんの創作画
まちづくりはグローバルに連携・行動し ローカルに活かす
まちづくりのリーダーに求められる素養の一つは、広い視点で提案出来るグローバリゼーションが求められる。
地域の魅力に気づくためには地域に根差した暮らしを基盤としながら、グローバルな人達との連携を持っていることが重要である。
グローバルな連携を持っている人は、情熱的な行動力を持ち合わせている。
グローバルな人材が、住民の誇りにできるローカル色に溢れたまちづくりに不可欠である。
他所からグローバルな人材として、期待され、当人もなんとか、まちづくりに新風をと、気合い充分でIターンされても想いのマッチングが出来ず去る人が少なくない。
よく言われる、まちづくり人材の3種
・よそ者
・若者
・バカ者(夢中になれる人)
の存在の中でも、地域に惚れ込むよそ者をいかに見つけ出すかが重要である。
社会は人生大学
社会に出て働くことの意義、目的は人によって多様に位置付けられている。
誰にも共通の意義は、学びの場である。成長の場である。
終わりのない人生大学に入学したと思うことである。
人間関係、仕事のことなど、悩みは次から次へと泉のごとく湧き出てくる。
このことは、前向きに挑戦し続ける証であると思うことである。
眠れない日々も続くこともある。人生大学に入学した勲章と思えば気が楽になる。
社会は人間の集団であり字のごとく「人の間」で生きている。間に挟まれていることは息苦しい。息苦しさから抜け出すことに精神を費やさないことである。
息苦しさを語りあえる人を得ることである。多ければ多いほど良いとが、理解し合える人が一人で良いと思う。
人間関係が良い会社が成長の必要条件ではない。人間関係の緊張感の中に創造性が生まれ、変化できる会社となるようである。
経営者や幹部の肩書が上になれば孤独との戦いが加わる。
経営者、幹部は一般社員の見えないところで学んでいることを、昨日の技術士会の講演会でも痛感した。
写真:技術士会で講演
農業を21世紀の5Kとしての成長を
1次産業を「危険・汚い・きつい」の3K産業と評していた。
就労者の確保が難しい産業で、後継者の確保が重要な課題である。
食の偽装が表面化したことを契機に、食の安全、品質に対する関心が高くなっている。
我が国においては食料自給率40%(カロリーベース)の低率、川上の農村の有する自然資源の価値に対する評価、農業の6次産業化の推進などにより、農業等の1次産業が注目される時代になってきている。
農業は、21世紀の花形産業になることを期待される5K産業である。
・貴重な産業
・期待される産業
・希望の産業
・交流産業
・観光産業
地域再生の産業としなければならない。
若者からも気になる産業にしなければならない。
地域づくりは3つの「こう」を活かす
地域づくりは、終わりのないテーマである。
津々浦々の市町村、集落が賑わいがある地域づくりを目指し英知を出しているが、持続的な取り組みとならない場合が多い。一過性で終わる。
地域づくりも生き物であり、魂を入れ続けなければ終息してしまう。
地域づくりは、3つの「こう」に視点を当て、活かすことが必要である。旅人は3つを求めている。
1.観光—自然・文化・芸術など
2.健康—温泉・ウオーキング・体験など
3.信仰—史跡・仏閣・神社・伝説など
この3つがほど良くマッチングされて発信することが重要である。