Column コラム

中山間地域の資源活用と農村の展望

image36本を出版いたしました。
広島県立大学生命環境学部(庄原キャンパス)の先生方など7名と私しの8名の共著です。
中山間地域の生き残りに挑戦する実践者達の事例紹介と研究者の視点からの展望等についての記述です。
私は、研究調査論文とは異色の、実践の秘話です。
タイトルは「小さな農村を変えた住民出資第3セクター経営のシナリオ~素人だから人の繋がりを経営頭脳として活かした持続的仕掛け~」。
道の駅経営における集客の展開、地域住民を巻き込むための発信、従業員の意識改革の取り組み、責任ある取締役会とするための仕掛けなど、今だから語れる経営の「根」の部分について35ページに亘り記述しました。
本文の一文「農山村の第3セクター経営は、地域のしがらみと向き合いながらの展開が避けられなく、一般的な企業経営の数倍の心労が伴う。そこで、しがらみのない客観的視点でサポートしてくれる外部に人材のネットワークを持つことが大切である。」
経営者、地域リーダー、地域づくりに関わる人達の勇気の一歩となれば幸である。
迷い悩みから生まれる創造と実践がまわりの人達の意識を変える。

会社設立登記申請時の定款の訂正方法

会社設立には、会社の憲法と言われる定款の作成が設立の第一歩です。
合同会社は定款の認証は不要など株式会社に比べて設立が容易ですが、設立登記申請には提出することになります。
申請提出後に定款の訂正を法務局から指摘された場合に対処するために、次のようにするとよいでしょう。
1.袋とじ製本にする
2.出資者全員が袋とじ箇所の表側と裏側に実印で割印をする(中割印は不要)
3.代表社員のみが表紙に1カ所捨印しておく
例えば、1ページの10行目の事業目的に「5.その他上記に付帯する一切の業務」を挿入する場合
次のようにする
1.1ページの10行目に「5.その他上記に付帯する一切の業務」を追加記入し
2.表紙の代表社員の捨印の隣接に「P1に17字挿入」(「.」も字数に数える)
提出前に、法務局を訪問し相談を行うようにして下さい。
設立に関する資料も配布しています。
法務局は、親切に教示してくれます。
行政機関を敷居が高いを思わずに訪ねるようにしましょう。
自らの会社を立ち上げるのですから、全てを専門家任せにしないことをおススメします。
設立の苦労が、後の経営戦略に活かせることになります。

地域づくり経営を合同会社で行う

2006年5月の会社法に合同会社(LLC)の設立が設けられていたが、あまり浸透していなかった。
起業化の主たるものは株式会社と認識されているようである。
特に、地域づくり経営等の、収益性が厳しい起業化や公益性を持って事業展開を図ろうとする場合は、NPO法人、財団法人等が一般的である。
最近、LLCに注目が高まっている。
有力企業のアップル社、西友などもLLCであることが知られるようになり、注目され、そのメリットが広がり始めている。
書店にも、LLCの紹介本が目に着くようになっている。
設立時の最大のメリットをなんといっても少額費用で設立できることであると思う。
その一つが公証人役場の、定款認証が不要なことである。これだけでも5万円削減できる。
時間コストからも、大きな経費削減となっている。
以前の株式会社と有限会社のメリットを組み合わせた機関設計とすることも魅力である。
私も、以前からLLCについて深く認識していたわけでない。
2月に広島県庄原市の女性グループから地域づくりをLLCで行いたいとの相談受け、
設立支援に取り組み、LLCの詳細を知った。3月に設立した。
出資者の女性は、全員が業務執行社員(経営者)として、経営感覚を磨き、賑わいが無くなっている地域の魅力づくり、発信を収益追求と地域貢献のバランスを模索し始めている。
このような女性の勇気が、行政を動かし、地域に浸透し活力をもたらすことになると思う。
LLCは、少額な資金で、少人数で、小ビジネスから始めようとする場合は、最適である。
LLC経営の実践を踏まえたメリット、デメリットを本サイトを通じて発信しようと思っている。

集落型農業法人 設立から10年目にして営業利益が黒字に

10期目(平成24年)の決算がようやく固まった。
農業法人を平成15年2月(2003年)に設立してから、営業利益の段階で初めて黒字100万円の決算となった。
国からの補助金や奨励金など本業外の収入により、黒字経営に転じてから数年が経過しているが、水稲、アスパラ、大豆などの本業収入だけでなかなか黒字にできない決算が9期続いていた。
農業者の高齢化、担い手確保の難題の解決策は見つからないために、集落農用地の有効活用と収益性による強い農業を目指して法人経営にした。
設立から3年ぐらいは、12月の長期借入の返済金が不足し、自己資金の繰り入れ等、経理担当の使命として資金繰りに奔走した。
4年前からは、月給の常勤職員(理事兼務)3人体制にし、生産管理の役割分担を明確にし、経営の安定と就労意欲向上を図ってきた。天候に左右される中で、常勤の月給方式がこの成果に現れてきたように思う。
地域住民の雇用の場としての期待、農用地の保全管理の使命の中で、国境な食料流通に取り残されないようにし、如何に経営基盤を高めていくかが課題である。

感動を活かせる実践の継続者は0.62%

貴方も研修会や講演会の話に感動し「よし頑張るぞ。変るぞ」と意気高揚したことがあると思います。
気持ちが前向きになることの繰り返しは重要なことです。
改革や挑戦へのきっかけになります。
しかし、出会いの機会を活かした実践の継続者となる人は0.62%にすぎません。
つまり100人のうち1人以下です。
出会いの感動を活かし、改革や挑戦のために継続することがいかに困難であるかと思います。
どういうことかと言いますと
講演会等の内容に感動する人が80%いたとしますと
そのうち一歩踏み出す計画を立てる人は20%
さらにそのうち計画を実践する人は20%
さらに、さらにそのうち1年以上、実践を継続できる人は20%
ついまり
0.8×0.2×0.2×0.2=0.0062
0.62%となります。
100人のうち0.62人です。1人に満たないのです。
悲観せず、研さんの場に、時間と金をを惜しまない姿勢を持ち続けることが大事です。
実践の継続者になり、リーダーとして生まれ変わることに繋がります。

道の駅経営に忘れないでほしい地域文化の経営

指定管理者制度による経営に移行を契機に、収益追求に特化した経営になり過ぎいている道の駅が多くなってきている。
経営管理を担うに当たり、資金面に於いて行政との協定が自主自立を強く求められている事が要因となっている。
金がなくては、経営が立ち行かなくなることは自明の理である。このため、収益力が低い文化的なところを切り捨てる経営になる。
しかし、住民を巻き込み、地域を元気にする中核施設として持続するためには、収益性が低い文化的な取り組みや発信を忘れてはならない。
道の駅は、正に地域の伝承文化を高め次代に引き継ぐ経営ができる場所である。
このために、行政と管理者が連携し、道の駅経営の方針を確認し合い、文化を付加価値経営として展開することである。
駅長や支配人等、リーダーマネジメンターの文化意識の高さも重要である。
行政は、指定管理者任せにしない情熱職員の配置も大事である。
成功し、地域と一体となっている道の駅の影には、行政の枠を超えて行動している情熱を持った職員の存在を見ることが少なくない。
現下の過当競争の中にある、道の駅が地域と共に持続するためには、派手さに乏しい、余り金を生まない文化度を如何に高め、組み入れた経営を行なうかである。
収益性に偏った経営の行く末は、多くの民間経営からも学ぶことができる。

地域リーダーに求められる3無

地域リーダーの人間力として備えておくべき資質、心得として3無がある。
一つは、無駄である。
リーダーたる人は、何事に対しても、無駄と決めつけたり、面倒くさがらないことである。
無駄なところにヒントがあったり、気づき、発見に出会うことがある。
特に、人との出会い、語らいの機会を無駄と思わずに、好奇心を持ち、色んなところに顔出し人間であること。
少なくなったアナログ人間とでも言うことができる。
2つは、無欲であること。
見返りを求めない行動、支援の精神が必要である。我が子に愛情を注ぐように、地域を愛することである。
見返りのある汗かきは誰でもできるが、誰もがなれないリーダーの人間力として最も重要な無である。
3つは、無理である。
普通の努力からは新たな変化は生まれない。ここからもうひと頑張りの汗と精神の発揮が、リーダー力となり地域力として、住民に方向性を示すことになる。
3無人間が3人集まれば、地域づくりの仕掛けができる。

忘れることができないゲンコツ虐待

子育てにおいては、誰もが躾けと虐待の違いに自問し、その境目の中で悩んでいるのではないでしょうか。
自分の3人の子どもが自立したので、子育て経験を踏まえて養育里親として2人の里子を養育している。
6才の男の子は、4年余り前に引き受けた。
当時2歳の幼子が、入浴中、一瞬に目を離した隙に、入浴剤1本を浴槽に入れてしまった。
その状況に驚き、カッとなり、我を忘れ、頭部にゲンコツをしてしまった。
その時の自らの行動を想うたびに、失望と恥ずかしさが湧き上がる。
50才を過ぎた自分が、身を守ることができない幼子に虐待をしてしまったのである。
毎日のように報道される虐待に接するたびに、当時の自分のゲンコツを思い出し、申し訳ない、軽率な事をしたと想う。
里親の家庭で育ったことを人生の糧となれるよう、ストレスを抱かせない正しい躾けに心がけたいものです。
子育てを、母親大学に入学したと捉え、関わってみてはいかがでしょうか。

6次産業化の推進を

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6次産業の取り組みは、消費者にも周知され始めている。
しかし、言葉ほどに農業者の所得を押し上げるに到っていないのも現実である。
国の事業はハードルが高く、個別農業者や中山間地の農業者には手が届きにくい。
身近な市町村が少額ではあるが、商品開発、販売促進、組織づくりなどの支援制度を設けている場合が少なくない。
小さな取り組みと達成感の積みかさねが、6次産業化の一歩であり、自信となるものである。
身近な行政の敷居を跨いで、6次産業化の情報を得るようにして見て下さい。
勇気と行動が創造展開の道標です。

志の実現のための夢

経営者やリーダーの見栄や欲望から生み出される夢、ロマンは、悲劇へ導くことになる。
高い志の実現には、誠実さの中でスタッフの幸せと共に、社会に貢献することを忘れない「志・夢」経営を推進できる経営者、リーダーの存在が必要である。
人生は「過去の良い思い出」と「見通せない将来の夢」から成り立っている。
どんな悪い、思い出したくない過去であれ、それらを良い思い出に転換して、将来への志の実現に向けた夢に活かせるか、どうかである。
組織改革、会社経営も同じである。夢のない計画、夢のない生き方はむなしいものである。
進むべき夢をビジョンとして明確にすることによって、からなず実現できるものである。