独立開業して3年目の夏を迎える。
士業としての業務より地域づくり講演会、地域活性化施設の開業準備、3セク経営改善などの業務を与えて頂いている。
妻が補助員として多少の分担をしてくれるが、主要な部分は一人身でこなさなければならず、忙しい日々である。業務完了時の依頼者の喜びの笑顔を脳理に刻み取り組んでいる。
仕事のための営業活動は一切しないこととしている。
人に会うことに時間を惜しまず、義理を欠かないようにしている。
人としての信頼感を構築出来れば、おのずと口コミで広がるものである。
人として他人のために一生懸命に動くことである。
無駄な時間や行動のように思われるところから新たな展開に繋がることが多い。
他人の幸せの中に業務の本質があり、自らの喜びがある。
業務の99%は口コミから生まれている。
口コミにまさる営業はない。
自動車専用道尾道松江線の開通に伴うR54道の駅の存亡
無料の自動車専用道・尾道松江線がすでに部分的に共用開始している。
部分的な開始によって、既存の国道の交通量が減少し、沿道や近接に設置されている道の駅、地域活性化直売所等の利用減少が発生している。
全線供用開始が平成26年春に予定され入る。これに伴い、R54の交通量は、半減するとの予想もある中で、沿道の道の駅の経営転換が差し迫った課題となっている。今までは、立ち寄り型の道の駅として、通過交通量への依存による経営であったと思う。
高速道の開通による影響を何とか食い止めるために広島県、島根県の県境を越えて協議を重ねているようである。
6月17日にぶらりと道の駅を訪ね歩いて見た。
R54を走り、広島県から島根県に入った最初に道の駅「赤城高原」がある。
駅長に高速道の開通をにらんだ経営の見直しについて1時間ほど聞かせいて頂いた。
駅長は「マイナスと捉えずに、行政と一体となり町の観光、産業、人づくり、活性化の拠点として原点に返り準備している。社員の姿勢も変わってきているので、新時代の幕開けとして動き出している」とのことである。
連携、点から線、共存など様々な期待感を抱かせる言葉で、協議の場を丸めることが多い。駅長は、己の経営基盤の改革に取り組む勇気と先見を持ち合わせた実践者であることが求められる。
道の駅「赤城高原」は、正に目的型の駅として生まれ変わろうと改革に取り組んでいる。
経営者は、社会環境の変化をマイナス要因に挙げるようになった交替時である。
変化をチャンスとして身の丈経営に改革できるかが存亡の鍵である。
経営は拡大と縮小の選択の繰り返しでもある。
Iターン生活30年のメッセージ
都会暮らしに疲れ果てて農村暮らしに、ロマンや優しさを求めて、Iターンする人が少なくない。
お客様期間の農村の人の優しさに感動し、自然の豊さに満足し、Iターンしてよかったと思う。
農村を長期に亘る暮らしの地とするためには、郷に入っては郷に従うことを心得て、必要とされる役割を担う振る舞いの中で自己実現を目指すことである。
焦らず、威張らず、出しゃばらずで、集落活動への協力者であること。
一人十色の考え方、生き方を否定されることはないが、協調性がない強い個性の持ち主のレッテルを張られないことが重要である。
必要な時には、静寂の中でも勇気をもって発言し、自らの意にそぐわない決まり事であっても、決まったことには積極的に参加する素養を持ち合わせる行動を取れることが、農村くらしを楽しくする。
農村暮らしは、地域貢献、人助けを実感できるところである。
農村暮らしに、他力の優しさとロマンを求めないことである。
農村暮らしは、毎日が苦楽を実感できるところである。
地域活性化施設の支配人の仕事(5)—–収益分配は努力の成果に応じて
住民が地域活性化の成果の一番の喜び、期待は何と言っても個々の所得が向上することである。
道の駅の直売所や飲食店等に関わる、夫々の所得向上が図られ、地域全体として豊さを実感でるようにしなければならない。
行政の責任により設置された施設を活かしての活性化事業であるため、住民参加の機会均等の中であっても、夫々の住民努力に応じた収益分配、報われる地域活性化経営をしなければならない。
公共施設である為、往々にして平等の弊害から脱せずに行き詰るのが地域活性化である。
支配人は、様々な機会を活かし地域活性化と経営の想像力を磨き続けることが日々の重要な責務である。
地域活性化施設の支配人の仕事(4)—–おらが村の自慢づくり
地域活性化のために地域の歴史、文化、自然景観等多様な資源や財産を活かした施設整備、取り組みが行われてきた。
その多くは、持続的に活性化に役立つ展開がされていない実態がある。遊休的な箱物となっている。
持続的に地域活性化に役立てられていない要因として最も欠如していることは、住民に受け入れられていないことである。
行政が税金をつぎ込んで整備しても、住民に訴える運営手法が取られていない。
他者を取り込むためには、おらが村の誇り、自慢づくりとして根付かせることが大切である。
おらが村の自慢としての住民魂を入れ続けなくては、オープン時の一過性の輝きに終わってしまう。
住民とかけ離れた取り組みがどうして、持続的に他所からの集客を期待できるだろうか。
住民の口から自慢として発せられるようにすることである。このためには、時として直接本来の業務と関わりのない事でも、住民からの頼み事、困り事には誠意を持って対応する懐の広さを持ち合わせておくことである。
公共施設の支配人は、住民に誇り、自慢づくりの仕掛け人としての情熱行動と雑貨屋行動(何でも対応する)が求められる。
地域活性化施設の支配人の仕事(3)———住民就労の場として貢献
収益を踏まえた地域活性化施設整備の最大の目的は、地域住民の雇用機会の拡大である。
1997年に行った最初の3セクの社員の募集の応募条件を「村民に限る」とした。
持 続的な組織の活力の根源は「人」であり、本音のところでは広域的に多彩な人材を求めるべきとの想いがある。しかし、就業の場が少ないが小さな村にとって は、雇用機会の拡大の施設として期待されている。住民を社員として雇用することは、住民参画の村づくりの拠点化を持続的に進めるための基本である。
40数名の応募があり、28名を採用した。20名近い住民の採用ができなかったことは辛いことであった。予想されたように村の話題はしばらく、3セク社員の採用で盛り上がったようである。
その後、業績の向上と共に常に約70名の社員を雇用できるようになり、住民だけでは求める「人」の確保が困難になったが、まずは住民雇用の優先を基本とした。特に、住民の中高齢者や女性の社会参加にとっては重要な役割を果たすことができた。
雇用に占める住民比率を70%に維持することを基本に、住民を巻き込んだ地域振興経営を図った。
3セクの社会貢献経営は、非収益の地域振興と収益目的とのバランスに悩みの展開でもある。
地域活性化施設の支配人の仕事(2)——地域経済への貢献
今回は、公共施設の地域経済への貢献と地域住民へ公表することの効果について記します。
住民の多くは、公共施設そのものの収益情況には関心があり、やれ黒字だ赤字経営だと話題になり、酒の肴となる。
公共施設は、そもそも収益性に重点を置いたものでなく、収益性が低くくても住民の生活を支えるために設置している。経営的には、行政が苦渋の選択で設置し ている。管理経営を3セク経営に委ねても自立経営は難しいのが実態である。黒字となったと言っても決算に現れない行政支援による見せかけ的な黒字決算と なっている実態が殆どである。
公共施設の管理事業による地域経済への波及効果を分析し、住民に公表することである。これが、住民の信頼と支援に不可欠である。施設収益では赤字決算と なっているが、地域雇用効果、農産物販売効果、施設の地域内からの原材料調達額、地域商店の売り上げ波及、入り込み観光客の変化などの数値化を行ない公表 することである。施設の設置による地域経済への貢献情況を住民にもわかりやすく示すことが重要である。 住民に見えにくいところを、ガラス張りにすることが大切である。
施設収益と地域経済への貢献額による連結決算の仕組みを作り上げることが求められていると思う。
地域活性化施設の支配人の仕事(1)—-地域との絆
農、島、山の第3セクターが経営する3施設の支配人の職を経験した。
経営の責任者として、労務、財務、顧客、サービスなど内に外に亘り多忙な職責である。
今回は、地域との絆つくり、連携について記すことにする。
3セクは、住民の暮らしの話題の中にある経営である。
地域住民の利用による収入に占める割合は、それほど多くはなかった。しかし、住民の支援の姿勢、声は経営の精神的支えにとても心強いものである。
住民を巻き込んだ戦略を忘れてはならない。
住民に様々な形で還元や貢献の取り組みが必要である。
住民が株主の場合は決算配当、出資者に限定せず広く住民への優遇制度等もある。
狭い地域において、出資者であるか否かによる差別観を感じさせるようなサービスや還元には随分と気遣いをした。
自治体の合併により、行政サービスの肩代わり業務を担うことが必要である。
行政が担っていたイベントの企画事務局、敬老会の実施支援など本来の3セク経営から外れるところに住民との連携や一体感を創り出すことができる。
各家庭を機会あるごとに訪問することも大切である。
指定管理者制度、自治体の広域化により住民目線、地域密着経営が薄れている事が気がかりである。
行政書士業は人生の再生支援業
行政書士業、足掛け3年目の新米である。
行政の諸手続きから人生相談、経営改善、地域づくりサポートなど多岐の業務に亘り有意義な毎日である。
土日無く、求められればいつでも訪問する。
相手の方の心情を察するとは、取りあえずは会うことにしている。
敷居を庶民目線で行動するようにしている。
人生経験を活かした50才代からの行政書士業で、社会貢献や人支援、集落づくり支援などに関われる日々に感謝している。
業務対価の報酬を考えず行動しているから、、楽しいのである。
ビジネスとしては失格者であるかもしれない。
お金は背中から、後から、付いてくるものとの人生観である。
依頼者から感謝されることがまずは何よりの報酬である。
ナンバーワンになることは無理でも、一流人には成れるものである。
地域ブランド
平成18年4月から地域ブランド商標制度が施行された。
商標法の改正によって設けられたものである。
地域ブランドの適切な保護、振興を図りの地域の活性化に繋げようとするものである。
地域の自主自立を促し、他との差別化を付加価値とした商品開発、地域資源の発信などにより豊かで元気な地域振興の後押し制度である。
登録名の制限として「地域名と商品(役務・普通名称)」がセットとする必要がある。
既に登録されている例を見ると、広島レモン、広島はっさく、三次ピオーネ、宇治茶等がある。
平成23年度6月現在で478件が公表されている。
登録保護された商標名を事業者だけでなく、地域住民が、地域名が冠していることを誇りとし発信する姿勢を根付かせることが重要である。
地域ブランド商品、活動を地域活性化に繋げるために、事業者と住民が一体となりお客様の期待に応える信頼づくりの努力の継続が必要である。